天目茶碗とは?2026.08.28
【骨董・陶芸・作家辞典】天目茶碗とは|~天目の特徴~
1. 天目茶碗(てんもくちゃわん)とは
天目茶碗は、中国で焼成された黒釉系の茶碗を中心に、日本で「天目」と呼ばれてきた茶碗です。
特に中国・福建省の建窯で焼かれた茶碗は、天目茶碗を代表するものとして知られています。中国では建窯の茶碗を「建盞(けんさん)」と呼びます。
日本には鎌倉時代以降、中国から多くの茶碗が伝来しました。室町時代には茶の湯や唐物鑑賞の中で天目茶碗が扱われ、曜変、油滴、禾目など、釉薬の特徴による分類も行われました。
現在も、宋代の建窯で焼かれた天目茶碗の中には、国宝や重要文化財に指定されているものがあります。
2. 天目茶碗の産地
天目茶碗の代表的な産地として知られているのが、中国福建省の建窯です。
建窯は現在の福建省建陽区周辺に位置し、宋代に黒釉茶碗を盛んに生産しました。
建窯で焼かれた茶碗には、黒釉の表面にさまざまな斑文や結晶が現れるものがあります。焼成時の釉薬の変化によって、曜変、油滴、禾目などの特徴が生じます。
天目茶碗は建窯だけに限られるものではなく、中国各地の窯で焼かれた黒釉系の茶碗や、日本で焼かれた天目系の茶碗もあります。
3. 天目茶碗の時代
中国の天目茶碗では、宋代のものがよく知られています。
特に北宋から南宋にかけて、建窯では黒釉茶碗の生産が盛んになりました。
日本に伝来した建窯天目には、南宋時代のものが多く知られています。現在まで伝来する著名な作品の中にも南宋時代の建窯製品があります。
4. 天目茶碗の特徴
天目茶碗には、一般的な茶碗とは異なる特徴的な器形が見られます。
代表的な特徴として、次のようなものがあります。
①口縁が外側へわずかに開くものがある
②口縁部を内側に絞った形状がある
③胴から腰にかけてすぼまる形状がある
④高台が小さく低い
⑤高台周辺に釉薬を施さず、胎土を露出させるものがある
⑥建窯系の天目では、黒色または黒褐色の釉薬が用いられる
⑦釉薬の表面に斑文や結晶が現れるものがある
口縁部が一度内側に絞られ、その後外側へ反る形状は「鼈口(すっぽんぐち)」と呼ばれます。
ただし、すべての天目茶碗が同一の器形を持つわけではありません。
5. 天目茶碗の釉薬
建窯の天目茶碗では、鉄分を含む黒釉が代表的に用いられています。
焼成によって釉薬中の鉄分などが変化することで、黒色、黒褐色、青みを帯びた黒色など、さまざまな釉調が生じます。
また、焼成中の温度や窯内の雰囲気などによって、釉薬の表面に斑文や結晶が現れる場合があります。
この釉薬の変化が、天目茶碗の重要な特徴の一つです。
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