根付とは2026.08.28
【骨董・陶芸・作家辞典】根付(ねつけ)とは|歴史・種類・素材・有名な根付師について
根付(ねつけ)は、印籠や巾着、煙草入れなどを帯から提げて携帯するために用いられた、日本独自の小型の留め具です。
実用品として生まれた根付は、江戸時代に発達するとともに、人物や動物、植物、神仏、妖怪などを題材とした精巧な彫刻が施されるようになりました。
現在では、江戸時代から明治時代に制作された古根付を中心に、日本の彫刻工芸品、美術品として国内外で収集・鑑賞されています。また、伝統的な技法を受け継いだ現代根付も制作されています。
1. 根付の用途
根付は、着物を着用していた時代の携帯具と深く関係しています。
江戸時代には、印籠、巾着、煙草入れなどの小物を帯に吊るして持ち歩く習慣がありました。これらの袋物や容器に紐を付け、その紐の先端に根付を取り付けます。
根付を帯の上側に留めることで、携帯品が帯から落ちるのを防ぐ役割を果たしました。
このように根付は、もともと装飾品であると同時に、日常生活で使用される実用品でした。
2. 根付の歴史
根付は江戸時代に広く発達しました。
江戸時代の都市文化が発展すると、印籠や煙草入れなどの携帯品にも装飾性が求められるようになり、それらと組み合わせて使用される根付にも、さまざまな意匠が取り入れられました。
根付を専門に制作する職人も現れ、人物や動物などを立体的に表現した精巧な彫刻作品が数多く制作されました。
江戸時代後期には、細部まで緻密に彫刻された作品も多く見られます。
3. 明治時代以降の根付
明治時代以降は生活様式の変化によって実用品としての需要が減少する一方、根付は海外にも紹介され、日本の彫刻工芸品として収集されるようになりました。
現在も根付の制作は続いており、伝統的な技法や意匠を受け継ぐ作家によって、新しい根付が制作されています。
4. 根付の種類
根付には、素材や形、表現方法によってさまざまな種類があります。
1⃣彫刻根付
人物や動物などを立体的に彫刻した、立体的な彫刻を施した根付です。
小さな作品の中に細かな彫刻が施され、正面だけでなく背面や側面にも意匠が続いているものがあります。
2⃣面根付
能や狂言、歌舞伎などの面を題材とした根付です。
表情や顔の造形を中心に表現するため、通常の立体彫刻とは異なる鑑賞上の特徴があります。
3⃣柳左根付
比較的薄く平面的な形状を持つ根付の一種です。
携帯時に帯へ差し込むことを考慮した形状のものが見られます。
4⃣饅頭根付
円形またはそれに近い平たい形状をした根付です。
表面に彫刻や装飾が施され、裏側に紐通しが設けられています。
5⃣その他の形式
このほかにも、さまざまな形状や構造を持つ根付があります。
同じ種類に分類される作品でも、時代、作者、用途などによって形や意匠には違いがあります。
次回の記事で、根付の種類などについて、もう少し詳細に書いていきます。
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