釉薬(ゆうやく)って何? ― 器の色と表情を生み出すもの2026.10.28
【骨董・陶芸・作家辞典】
陶器や磁器を眺めていると、つややかなもの、しっとりと落ち着いたもの、複雑な色合いを見せるものなど、実にさまざまな表情に出会います。
こうした器の表情を生み出す大切な要素のひとつが、「釉薬(ゆうやく)」です。
1.釉薬とは?
釉薬とは、焼き物の表面に施すガラス質の被膜を生み出す材料のことです。「うわぐすり」とも呼ばれます。
器に釉薬を掛けて窯で焼くと、表面がガラス質になり、色や光沢、手触りなどにさまざまな変化が生まれます。また、種類によっては水が染み込みにくくなるなど、器の実用性を高める役割もあります。
釉薬には、透明感のあるものから、白くやわらかなもの、青緑色のもの、深みのある茶色や黒色のものまで、多くの種類があります。
2.同じ器でも、釉薬によって表情が変わる
釉薬の魅力は、単に器に色を付けるだけではないところにあります。
焼成時の温度や窯の雰囲気、釉薬の厚さ、流れ方などによって、色合いや光沢、模様に違いが生まれます。釉薬が流れてできた模様や、色が複雑に変化した部分も、焼き物を楽しむ見どころのひとつです。
こうした変化は、作品ごとの個性にもつながっています。
3.釉薬にも、それぞれの魅力がある
たとえば、青緑色の美しい「青磁釉」、白くやわらかな表情を見せる「白釉」、深い茶色や黒色を生み出す鉄分を含んだ釉薬など、釉薬には多彩な表現があります。
また、釉薬の表面に細かなひび模様が現れることもあります。これは「貫入(かんにゅう)」と呼ばれ、焼き物の景色として楽しまれることがあります。
4.器を選ぶときは、釉薬にも注目してみましょう
焼き物を見るとき、形や絵付け、作家の名前に目が向きがちですが、釉薬にも注目してみると、新しい発見があります。
光にかざしたときの色の変化、表面の質感、釉薬の流れが生み出す模様など、細かな部分にも作り手の工夫や焼成による変化が感じられます。
お気に入りの器を見つけたら、ぜひその表面の表情にも目を向けてみてください。焼き物を眺める楽しみが、さらに広がるかもしれません。
当サイトでは、釉薬のうち、鉄釉について書いた記事もあります。併せて御覧ください。
https://akimoto-kobijyutsu.jp/topics_select.php?id=57
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